日本の三国志ブームの影響と弊害の心配

 前にも、日本では三国志が以前人気があり、衰えそうにないと書きましたが、今日は影響と弊害の心配について考えてみようと思います。

 以前にも触れたことですが、一つは登場人物の女性化です。

 これは、ゲームやマンガで起こっていることですが、個人的には日本だからこそ起きた変化であって、それが悪いとか言うつもりではありません。

 しかし、三国志を知っている人がそのような作品に触れることはかまわないのですが、そのような作品を通して初めて三国志を知る人には、なんらかの障害になってしまうかもしれないと思います。

 そして、私が一番やめてくれと思ったのは、三国志に関係するあるゲームかマンガかなんかの作品で、そこでは登場人物の名前をそのままかりて使っているのですが、その使われ方に問題が。

 たとえば、曹操孟徳。(この人は三国魏の始祖です)

 あれ?とか、何か違和感を感じませんか?

 そうでない方は、もう…。

 違和感を感じた方はいいのですが、その他の方も違和感を感じないのには理由があります。

 曹操孟徳という名前は、日本人の名前で最も普通な漢字4文字で、曹操が姓で孟徳が名だと考えてしまい、違和感なく受け入れられてしまうからです。

 しかし、現代の中国人の名前を考えてみてください。

 王○、劉○、李○など、稀に三文字の人もいますが、二文字の人が圧倒的に多いです。

 そのように、古代でも二文字の名前が普通でした。

 このことがわかっていた方が、たぶんさっき違和感を感じた方なのではないでしょうか。

 では、曹操孟徳を解説してみますと。

 「曹」が姓で、「操」が名、「孟徳」が字(あざな)です。

 字(あざな)は、基本的に男子が元服してから、その人の本名にちなんで、名づけられるものです。

 字は、基本的に他人から呼ばれるときの呼称です。

 逆に、名は、自分の両親や自分の先生などに呼ばれるときの呼称です。

 なので、曹操孟徳というような使い方は、使われていないはずです。
 
 だから、辞書で引く場合には曹操で引かないと出てきません。

 
 私には、さっきの登場人物の女性化よりもこの「名前の日本化」が、ネックですね〜。